4-2 無料で自動の身分証(Universal SSL)

身分証を自分で申請し、期限のたびに更新するのは手間です。店を増やすたびに発行所(CA)へ通うのでは、手が回りません。
いま読んでいるこのサイト(Cloudflare Lab)でも、身分証の申請や更新はしません。Cloudflare が自動でやります。
ここでは、自動発行の範囲、いつ発行されるか、看板との関係、別の道の順に見ます。
Learning goals
この節でできるようになること
- Universal SSL が無料で自動にする範囲を言える
- 身分証がいつ発行されるかを説明できる
- Custom Domain と身分証の関係を説明できる
- 自分で発行所を選びたいときの道を挙げられる
1. 無料で自動の身分証(Universal SSL)
Section titled “1. 無料で自動の身分証(Universal SSL)”役所(Registrar)に店名を登録すると、その店に身分証が自動で送られてくる、と考えてください。申請書も更新手続きも要りません。
Cloudflare では、これを Universal SSL と呼びます。公式は「無料で、共有されない、公に信頼された SSL 証明書」をすべての proxied なドメインに自動発行し、発行と更新を Cloudflare が管理すると書いています。
実物では、full setup(第 3 章)の店なら、店名そのもの(apex、例 example.com)と 1 階層下の subdomain(例 www.example.com)が対象です。

身分証が郵便受けに自動で届きます。期限が近づけば、新しいものが自動で届きます。
つまり、Universal SSL は「申請しない・更新しない・無料」の身分証です。
2. いつ発行されるか(active になった後)
Section titled “2. いつ発行されるか(active になった後)”身分証は、店名の登録が終わってから発行されます。登録前に用意することはできません。
公式は、証明書の発行はドメインが Cloudflare 上で active になった後に始まると書いています。通信を Cloudflare へ向ける前に証明書が必要なら、Advanced か Custom の証明書を使う、とも書いています。
実物では、Registrar で登録した店名は最初から Cloudflare の nameserver を使うので、登録が終われば active です。その後に身分証が発行されます。

店名の登録が済んで「有効」の札が付いた後で、身分証が届きます。順番は登録 → 有効 → 身分証です。
つまり、身分証は店名が Cloudflare で有効になってから自動で発行されます。
3. 看板を掛けると身分証も届く(Custom Domain)
Section titled “3. 看板を掛けると身分証も届く(Custom Domain)”第 3 章で、看板(Custom Domain)を掛けると電話帳(DNS)の行と身分証が自動で用意される、と学びました。その身分証が、この節の Universal SSL です。
Workers の公式ページは、Custom Domain を作ると Cloudflare が DNS レコードを作り、証明書を発行すると書いています。Universal SSL の対象範囲(apex と 1 階層)なら、看板を掛けるだけで身分証がそろいます。
実物では、Cloudflare Lab の店名を Custom Domain にした時点で、その店名の edge certificate が用意されます。自分で証明書の画面を触る必要はありません。

看板を掛けると、店の鍵にあたる身分証が一緒に用意されます。第 3 章の図と同じ場面を、身分証の側から見ています。
つまり、Cloudflare Lab では Custom Domain が身分証の入口です。
4. 別の道(Advanced Certificate Manager と Custom Certificates)
Section titled “4. 別の道(Advanced Certificate Manager と Custom Certificates)”自動の身分証で足りない店もあります。もっと深い階層の店名にも身分証が要る、発行所を自分で選びたい、自前の身分証を使いたい、といった場合です。
公式の Edge certificates の一覧では、Universal SSL のほかに、発行所や対象ホスト名や有効期間を選べる Advanced Certificate Manager、自分で発行した証明書を持ち込む Custom Certificates があります。2 階層以上の subdomain を自動で覆うには Total TLS という機能も案内されています。
実物では、Cloudflare Lab は店名 1 つと www くらいなので、Universal SSL で足ります。別の道は、必要になった章で戻って選びます。

自動の身分証で足りる店がほとんどですが、発行所や範囲を選びたい店には別の道があります。
つまり、まず Universal SSL、足りなければ Advanced か Custom です。
Cloudflare Lab での使われ方
Section titled “Cloudflare Lab での使われ方”ここで紹介した自動発行が、いま読んでいる Cloudflare Lab でどう使われているかを見ます。
Cloudflare Lab では、店名を Custom Domain にした 2026-08-27 に身分証が発行されました。作者は申請も更新もしていません。窓口が実際に見せてくる身分証を、その場で読み取りました。
- 発行所(issuer)
- Google Trust Services / CN=WE1
- 名義(subject)
- CN=cloud-labos.com
- 期限の始まり
- Aug 27 01:49:34 2026 GMT
- 期限の終わり
- Nov 25 02:49:31 2026 GMT
- 対象の名前(SAN)
- cloud-labos.com / clf.cloud-labos.com / *.clf.cloud-labos.com
およそ 90 日
読み取りに使ったのは openssl s_client -connect clf.cloud-labos.com:443 -servername clf.cloud-labos.com です。期限はおよそ 90 日先で、切れる前の入れ替えも Cloudflare が行います。対象の名前には、店名そのもの(apex)と clf.cloud-labos.com、さらにその 1 階層下がまとめて入っていました。看板を掛けただけで、この 3 つが最初から覆われていたことになります。
つまずきやすいところ
Section titled “つまずきやすいところ”この節のまとめ
Section titled “この節のまとめ”- Universal SSL は、無料で自動の edge certificate です。
- 対象は apex と 1 階層の subdomain で、店名が active になった後に発行されます。
- Custom Domain を掛けるだけで、Cloudflare Lab の身分証はそろいます。
この節で出てきた言葉を、つながりの順に並べると次のようになります。
図のラベル: 店名が有効になる active / 無料で自動の身分証 Universal SSL / 対象 apex と 1 階層の subdomain / 看板を掛けると身分証も届く Custom Domain / 足りない時 Advanced・Custom・Total TLS
次の節では、窓口から本社へ送る手紙の封の決まりを見ます。
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