20-4 手元のサービスを店名で公開する
通路は掘れました。残っているのは、店名(第 3 章で用意したドメイン)をその通路へ向けることと、通路の先で何を見せるかを決めること、そして見せる相手を絞ることです。
前の節は画面から進める形でした。この節では、同じことを命令行から進める形も併せて見ます。
いま読んでいるこのサイト(Cloudflare Lab)の作業でも、最後は「見終わったら片付ける」までが 1 組です。ここでは、店名を向ける、行き先を書いて動かす、相手を絞る、片付けるの順に見ます。
Learning goals
この節でできるようになること
- 店名を通路へ向けると電話帳に何が書かれるかを言える
- 手元の行き先の書き方と通路の動かし方を説明できる
- 公開した名前を作者だけに絞る方法を言える
- 使い終わった通路の片付け方を言える
1. 店名を通路へ向ける
Section titled “1. 店名を通路へ向ける”第 3 章の電話帳(DNS)は、店名から行き先を引くための本でした。通路を掘ったら、その本の 1 行を「この店名は、あの通路へ」と書き換えます。
Cloudflare では、この 1 行を命令 1 つで書けます。次の命令は「この通路に、この店名を向ける」という意味です。読めなくても大丈夫です。
cloudflared tunnel route dns <UUID or NAME> <hostname>公式は、この命令が CNAME(別名を指す電話帳の 1 行)を作り、その行が <UUID>.cfargotunnel.com を指すと説明しています。cfargotunnel.com は通路そのものの住所で、通路を作った時の UUID が名前になっています。
電話帳の 1 行が、裏口の通路を指しています。
つまり、店名を通路へ向ける作業は、電話帳の 1 行を自動で書くことです。
2. 行き先を書いて動かす
Section titled “2. 行き先を書いて動かす”通路の出口に看板は付きました。次は、通路の先の「どの部屋を見せるか」を決めます。
命令行から進める形では、手元の設定ファイル config.yml に行き先を書きます。次の設定は「この通路は、この機械の 8000 番の部屋へつなぐ」という意味です。読めなくても大丈夫です。
url: http://localhost:8000tunnel: <Tunnel-UUID>credentials-file: /root/.cloudflared/<Tunnel-UUID>.json書けたら通路を動かします。公式は、次の命令で通路を動かすと、通路へ来た通信が手元で動いているサービスへ流れると説明しています。
cloudflared tunnel run <UUID or NAME>公式は、Cloudflare Tunnel を macOS では launch agent(起動時に自動で動く常駐の仕組み)として登録できるとも書いています。
案内係が通路の前に立ち、荷物を運び始めています。
つまり、行き先を書いて動かすまでが「公開する」という作業です。
3. 見せる相手を絞る
Section titled “3. 見せる相手を絞る”看板を出した以上、名前を知っている人は誰でも来ます。公開前の画面を世界中に見せたいわけではありません。
公式も、通路に名前を割り当てるとインターネット上の誰もがそのホスト名でアプリに到達できると書き、特定の人を許可したり止めたりするには Access の application を作るよう案内しています。第 9 章で扱った、部屋の前に立つ警備員です。
看板の前に警備員が立ち、来た人を確かめてから通しています。
つまり、通路と Access は必ず組みで使います。
4. 使い終わったら片付ける
Section titled “4. 使い終わったら片付ける”一時的に見せるための通路を、開けたまま忘れるのが一番よくありません。片付けまでを 1 組にしておきます。
公式が挙げている命令は次のとおりです。動かしている通路を止めるのは、動かした命令を終了させることです。
cloudflared tunnel list: いま生きている通路を一覧で見るcloudflared tunnel info <NAME or UUID>: その通路につながっている案内係の詳細を見るcloudflared tunnel delete <NAME or UUID>: 通路を消すcloudflared tunnel cleanup <NAME or UUID>: 残ってしまった接続を消す
公式は、つながったままの通路は消せず、どうしても消すなら強制の指定を付ける、と書いています。
使い終わった通路を閉じ、名簿からも消している場面です。
つまり、開けたら閉じるまでが手順です。
Cloudflare Lab での使われ方
Section titled “Cloudflare Lab での使われ方”ここで紹介した公開と片付けが、いま読んでいる Cloudflare Lab でどう使われるかを見ます。
Cloudflare Lab では、作者の手元のパソコンで動かしている公開前の画面を、第 3 章の店名の下に一時的に出し、Access で作者だけに絞る予定です。確かめ終わったら通路を消すところまでを 1 回の作業とします。実測(電話帳に書かれた 1 行の内容・外の端末から見えるまでの時間)は実装後に追記します。
つまずきやすいところ
Section titled “つまずきやすいところ”この節のまとめ
Section titled “この節のまとめ”- 店名を通路へ向けると、電話帳に CNAME の 1 行が自動で作られます。
- 行き先を config.yml に書き、通路を動かすと手元の画面が外から見えます。
- 公開した名前は Access で絞り、使い終わったら通路を消します。
この節で出てきた言葉を、つながりの順に並べると次のようになります。
図のラベル: 通路がつながった / 店名を通路へ向ける tunnel route dns / 電話帳に 1 行 CNAME / 行き先を書く config.yml / 通路を動かす tunnel run / 入る人を確かめる Access / 片付ける tunnel delete
次の章では、手元の端末そのものを Cloudflare 経由にする仕組み(Cloudflare One client)を見ます。
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