第 7 章 KV ストレージ
第 6 章で受付の裏に帳簿を置き、起きたことを行と列で残せるようになりました。次に困ったのは「小さな値を、どの窓口でもすぐ読みたい」ことです。いま読んでいるこのサイト(Cloudflare Lab)でいえば、「最後に検証が走った日時」や「出典が全部生きているか」といった一言の情報がそれにあたります。
こうした一言は、帳簿を開いて行を探すより、受付の壁に付箋で貼っておく方が速く読めます。この章では、名前と値の付箋を貼る保存先(KV)を用意し、マニュアル(Worker)から貼る・読むところまでを扱います。
Learning goals
この節でできるようになること
- 付箋ボード(KV)がどんな保存先かを日常語で説明できる
- 付箋ボードを作り、マニュアルから開けるようにする手順を言える
- 貼る・読む・はがす・一覧の四つの操作を言える
- 無料で使える範囲と、帳簿(D1)との使い分けを言える
7-1 名前と値の付箋(KV とは)

帳簿は行と列で記録を残す場所で、一言を素早く読む場所ではありません。 一言には、名前を付けて貼る付箋が向いています。 Cloudflare では、この付箋ボードを Workers KV と呼びます。 貼った付箋が全窓口に行き渡るまでには、少し時間差があります。 そのぶん、読むのが多い使い方にはとても向きます。 この節のゴールは、帳簿と付箋ボードの違いを言えることです。
7-2 付箋ボードを作る(namespace・binding)

付箋ボードは 1 枚ずつ作り、店舗登録票に取り出し口を書きます。 ボードを作る命令は wrangler kv namespace create です。 登録票に書くのは、呼び名(binding)とボードの番号(id)の二つです。 コマンドから直接、付箋を貼ったり読んだりもできます。 既定では手元のボードに書かれ、本番へは別の指定が要ります。 この節のゴールは、ボードを作ってマニュアルから付箋を引ける状態にできることです。
7-3 マニュアルから貼る・読む(put・get・delete・list)

マニュアルから付箋を扱う操作は四つです。 貼る(put)・読む(get)・はがす(delete)・一覧(list)で足ります。 貼るときは、はがれる時刻や裏書きのメモも一緒に指定できます。 読むときは、受け取る形と、手元に置いておく時間を選べます。 同じ付箋の書き換えは 1 秒に 1 回までという約束があります。 この節のゴールは、四つの操作とその指定を言えることです。
7-4 無料の範囲と、帳簿(D1)との使い分け

付箋ボードの料金は、付箋ごとの読み・書き・はがし・一覧で数えます。 持ち出しの料金(egress)はありません。 無料の範囲は 1 日あたりの回数と、合計 1 GB です。 付箋の見出しと中身には、それぞれ大きさの上限があります。 最後に、帳簿(D1)とどちらを使うかを整理します。 この節のゴールは、無料の範囲を数字で言えることです。
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