18-1 窓口の作業日誌(Workers Logs)
窓口で何が起きたかは、その場に居なければ分かりません。だから店は机に日誌を置きます。
いま読んでいるこのサイト(Cloudflare Lab)にも同じものがありません。第 16 章で勝手に動くようになりましたが、「遅い」「落ちた」に作者が気づく手段がありません。
ここでは、日誌・設定・中身・残る量の順に見ます。
Learning goals
この節でできるようになること
- 作業日誌(Workers Logs)が何を残すかを説明できる
- 日誌をつける設定の書き方を言える
- 日誌の 3 種類の中身を言える
- Free で残る件数と日数を言える
1. 窓口の作業日誌
Section titled “1. 窓口の作業日誌”日誌は窓口の机に 1 冊置き、書いた紙は本部の書庫に集まります。
Cloudflare では、この日誌を Workers Logs と呼びます。公式は、Workers が出した記録を自動で集め、保存し、絞り込み、分析できる仕組みだと説明しています。データは自分の Cloudflare アカウントに入り、Worker ごとにダッシュボードで探せます。
新しく作った Worker では最初から有効です。読むのは次の順です。
日誌は窓口ごとに 1 冊で、本部の書庫にまとまります。
つまり、Workers Logs は起きたことを勝手に書く日誌です。
2. 日誌をつけると決める
Section titled “2. 日誌をつけると決める”日誌は勝手に生えてはきません。店舗登録票に「日誌をつける」と書いて、はじめて机に置かれます。
Cloudflare では、店舗登録票(wrangler.jsonc)の observability に書きます。公式は、この設定を足して deploy し直すと Workers Logs へ書かれるようになり、Wrangler は 3.78.6 以上が要ると説明しています。
次の設定は「日誌をつけ、来客は全件書く」という意味です。読めなくても大丈夫です。
{ "observability": { "enabled": true, "head_sampling_rate": 1 }}head_sampling_rate は、来客の何割を日誌に書くかの割合です。公式は、範囲は 0 から 1 で、1 なら全件、書かなければ既定の 1(100%)だと説明しています。この仕組みを Head-based sampling と呼びます。
登録票の 1 行が、日誌を置くかどうかを決めます。
つまり、日誌は observability で始まり、量は head_sampling_rate で加減します。
3. 何が書かれるか
Section titled “3. 何が書かれるか”日誌の 1 行には 3 種類あります。来客ごとの定型の記録、スタッフの覚え書き、失敗の印です。
公式は、日誌に入るのは invocation logs、custom logs、errors、uncaught exceptions だと説明しています。invocation logs は呼び出し 1 回につき 1 本で、Request と Response の情報が入ります。custom logs は、コードに書いた console.log がそのまま出るものです。
公式は、覚え書きを JSON の形で書くことを勧めています。console.log("user_id: " + 123) は文字列に埋もれますが、console.log({user_id: 123}) なら user_id という項目で絞り込めます。
定型の記録・覚え書き・失敗の印が混ざって並びます。
つまり、書き方しだいで探しやすさが変わります。
4. どれだけ残るか
Section titled “4. どれだけ残るか”日誌は無限には残せません。公式の料金表では、Workers Free は 1 日 200,000 件、残る期間は 3 日です。Workers Paid は月 2,000 万件が含まれ、残る期間は 7 日です。
公式の上限表では、残る期間は最長で 7 日、1 件の大きさは最大 256 KB です。超えた分は切り詰められます。
- 1 日の件数(Free)
- 200,000 件
- 残る期間(Free)
- 3 日
- 1 件の大きさ
- 256 KB まで
Cloudflare Lab は Free plan なので、日誌は 3 日ぶんです。それより前も残すなら、公式は Workers Logpush・Tail Workers を挙げています。
書庫の棚は 3 日分で、古い頁から外れていきます。
つまり、Free の日誌は 1 日 200,000 件で 3 日ぶんです。
Cloudflare Lab での使われ方
Section titled “Cloudflare Lab での使われ方”ここで紹介した日誌が、いま読んでいる Cloudflare Lab でどう使われているかを見ます。
Cloudflare Lab の店舗登録票には、第 2 章の時点で "observability": { "enabled": true } が書いてあります。日誌は初日から取れていて、まだ誰も読んでいないだけです。実測は、この章の実装後に追記します。
つまずきやすいところ
Section titled “つまずきやすいところ”この節のまとめ
Section titled “この節のまとめ”- Workers Logs は、起きたことを自動で集めて保存する日誌です。
- 登録票の
observabilityで始め、head_sampling_rateで割合を決めます。 - Free の日誌は 1 日 200,000 件・3 日ぶんです。
この節で出てきた言葉を、つながりの順に並べると次のようになります。
図のラベル: 窓口で起きたこと / 作業日誌 Workers Logs / 日誌をつける設定 observability.enabled / 書く割合 head_sampling_rate / 中身は 3 種類 記録・メモ・失敗 / Free は 1 日 200,000 件 3 日ぶん
次の節では、今その場で窓口の様子を聞く方法を見ます。
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