5-4 速さを測る(Observatory と RUM)

棚の決まりを変えたら「速くなった気がする」で終わらせず、ストップウォッチで測ります。測り方には、条件を揃えた調査員の計測と、実際のお客さんの計測の二つがあります。
いま読んでいるこのサイト(Cloudflare Lab)の速さも、この二つで数字にします。自分の店名は 2026-08-27 にできたので、次に測って追記します。
ここでは、調査員の計測、実際のお客さんの計測、二つの使い分け、数字の見方の順に見ます。
Learning goals
この節でできるようになること
- Observatory の合成テストが何をするかを説明できる
- RUM が何を集めるかを説明できる
- 合成テストと RUM の違いと使い分けを言える
- 棚の決まりの前後を数字で比べる手順を言える
1. 覆面調査員の計測
Section titled “1. 覆面調査員の計測”覆面調査員は、いつも同じ道具・同じ道順で店を訪れ、店に入ってからパンフレットを受け取るまでをストップウォッチで測ります。条件が同じなので、変更の前後を比べられます。
Cloudflare では、この計測を Observatory で行います。公式は、ブラウザテストが Google Lighthouse を実行して主要な性能指標と改善提案を出し、ネットワークテストが回線と本社側の性能を調べ、比較テストが 2 つの結果を並べて見せる、と書いています。
実物では、ダッシュボードの Speed から自分の店名のページを指定して実行します。

同じ調査員が同じ条件で 2 回測れば、差は店側の変更によるものです。
つまり、Observatory の合成テストは「条件を揃えて測る」ための道具です。
2. 実際のお客さんの計測
Section titled “2. 実際のお客さんの計測”調査員の数字と、実際のお客さんの体感は違うことがあります。店から遠いお客さん、道が混んでいるお客さん、古い道具で見るお客さんがいるからです。
Cloudflare では、実際の訪問者の計測を Real User Monitoring(RUM) と呼びます。公式は、地域・端末・ブラウザ別の実データと、合成テストでは測れない Interaction to Next Paint(INP)などの操作の指標が取れると書いています。Free plan では RUM が既定で有効(EEA・UK・CH の訪問者を除く)で、無効にもできます。
実物では、RUM は訪問者が来て初めて数字が溜まります。自分だけが見る店でも、自分の訪問が数字になります。

一人ひとりのお客さんが自分のストップウォッチを持っていて、その集計が RUM です。
つまり、RUM は「実際に来た人の速さ」を集める仕組みです。
3. 使い分け
Section titled “3. 使い分け”調査員の計測は比較に向き、お客さんの計測は実態に向きます。どちらか一方では足りません。
公式も、合成テストは条件が再現可能で一貫性がある一方、実ユーザーのデータは多様な環境からの実情報を提供する、と両者を補い合うものとして説明しています。
実物では、棚の決まり(5-3)を変えた直後は合成テストで前後を比べ、数週間後に RUM で実際のお客さんの数字が動いたかを見ます。
合成テスト(調査員)
RUM(実際のお客さん)

左は同じ条件で測る調査員、右は環境の違うお客さんたちです。目的で使い分けます。
つまり、比べるなら合成テスト、実態を知るなら RUM です。
4. 数字の見方
Section titled “4. 数字の見方”数字は 1 回では判断しません。変更前に何回か測って幅を知り、変更後にも同じ回数を測ります。
この教材では、棚の決まりを変える前後で、合成テストを同じページで 3 回ずつ実行し、その幅ごと記録します。1 回の差が幅の中に収まるなら「変わっていない」と判断します。
実物では、第 2 章の応答時間(0.384s / 0.362s / 0.379s)も同じ考えで 3 回測りました。この節でも同じ手順を使います。

前後それぞれ 3 回のストップウォッチを並べます。幅が重なっていれば、差は誤差の範囲です。
つまり、速さの判断は「同じ条件で複数回、前後を比べる」で行います。
Cloudflare Lab での使われ方
Section titled “Cloudflare Lab での使われ方”ここで紹介した計測が、いま読んでいる Cloudflare Lab でどう使われるかを見ます。
Cloudflare Lab は、次に Observatory で 1-1 のページを 3 回測り、5-3 の決まり書を書いた後にもう 3 回測って、この節に数字を追記します。RUM は Free で既定で有効なので、しばらく置いてから地域と端末の内訳を見ます。
つまずきやすいところ
Section titled “つまずきやすいところ”この節のまとめ
Section titled “この節のまとめ”- Observatory の合成テストは、条件を揃えて測る調査員です。
- RUM は実際のお客さんの速さを集め、Free でも既定で有効です。
- 前後を比べるなら合成テストを複数回、実態は RUM で見ます。
この節で出てきた言葉を、つながりの順に並べると次のようになります。
図のラベル: 速さを数字で確かめる / 覆面調査員 Observatory(Lighthouse) / 実際のお客さん RUM / 条件を揃えて比べる 前後 3 回ずつ / 実態を知る 地域・端末・INP / 棚の決まりの効果を判断
Phase 1 はここまでです。次の Phase 2(保存)では、サイトに記憶を持たせます。
この節のチェック
© 2026 osdse