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22-1 毎回確かめる考え方(Zero Trust)

Plan: Free費用: 0円Wrangler 4.126.0公式ドキュメント取得日 2026-08-27
Zero Trust は、中にいるからではなく、その都度確かめてから通す考え方です。

会社の建物では、入口で社員証を見せれば、あとは中のどの部屋にも入れることがあります。入口さえ固めれば安心だ、という考え方です。

ところが、社員は自宅や出先からも仕事をします。どこまでが中でどこからが外か、という線を引けなくなりました。

いま読んでいるこのサイト(Cloudflare Lab)でも、第 9 章から第 21 章にかけて、部屋・通路・制服を別々に作りました。この節では、その三つの土台にある考え方を押さえます。

Learning goals

この節でできるようになること

  • 入口だけを固める守り方が通用しなくなった理由を言える
  • Zero Trust が何をやめて何を始める考え方かを言える
  • VPN と ZTNA の違いを三つの観点で言える
  • 毎回の確認に使う材料を三つ挙げられる

1. 「中にいるから信用」をやめる

Section titled “1. 「中にいるから信用」をやめる”

入口に堀と門を作り、門をくぐった人は全員信用する。公式はこの守り方を castle-and-moat の模型と呼びます。外から入るのは難しい代わりに、中の人は既定で信用されます。

困るのは、攻撃する側が一度だけ門を抜けたときです。公式は、いったん入られると中のすべてを自由にされると説明しています。色々な場所と端末から使う今、固定した境界はもう有効ではありません。

そこで出てくるのが Zero Trust です。公式は、principle of least privilege(必要最小限だけを与える原則)を軸に設計された守りの模型だと説明しています。脅威は外にも中にもあると考え、すべての要求を確かめてから通します。

入口だけを固める守りから、部屋ごとに確かめる守りへ変わります。

左は堀で囲んだ城、右は部屋ごとに警備員が立つ建物です。中にいる人でも、部屋の前でもう一度確かめられます。

つまり、Zero Trust は「どこにいるか」で信用するのをやめる考え方です。

VPN(仮想的な専用線)は、外にいる人が社内にいるかのように使うための仕組みです。公式は、通信を暗号化し、端末と社内側の機器の間に VPN tunnel という道を作る、と説明しています。

問題は、その道が「建物ごと」開けてしまう点です。公式は、VPN が境界型で、入った人に社内網の全体を渡すと指摘しています。

置き換えの主役が ZTNAZero Trust Network Access)です。公式は、VPN からより安全な形へ移る中心の技術だと説明しています。

VPN は建物全体、ZTNA は必要な部屋だけを開けます。

左は建物全体の合鍵、右は必要な部屋の鍵だけです。渡す鍵が小さいほど、失ったときの被害も小さくなります。

公式は、違いを三つの観点で並べています。

  • 内部の脅威: VPN は入った人を暗黙に信用し、ZTNA は本人確認を続けます。
  • 網の守り: ZTNA は micro-segmentation を助け、特定のアプリだけを許して他は既定で断ります。
  • 速さ: ZTNA は社内の機器ではなく雲の側で繋ぐので、どこからでも速度が落ちにくくなります。

つまり、VPN は建物を渡し、ZTNA は部屋を渡します。

「毎回確かめる」と言われても、何を見るのかが分からないと使えません。公式は、すべての要求を identity and context(誰であるかと、その時の状況)に基づいて許可すると説明しています。

材料は三つです。誰か、どの端末か、どこへ行くか。誰かは Cloudflare Access が扱い、端末の状態は Cloudflare One Client が集める device posture(端末の健康診断の結果)で見ます。行き先は Secure Web Gateway が見ます。

三つが揃うと、「この人が、会社の端末から、この部屋に入る」という単位で許可を決められます。

毎回の確認は、誰・どの端末・どこへ行くの三つを材料にします。

三枚の確認札が並び、すべてに印が付いたときだけ扉が開きます。一枚でも欠ければ開きません。

つまり、確認の材料は、誰・どの端末・どこへ行くの三つです。

この考え方は、第 9 章以降で作ったものと対応します。関係者専用の部屋は Cloudflare Access、裏口の専用通路は Cloudflare Tunnel、端末に着せる制服は Cloudflare One Client です。

三つはばらばらの製品に見えますが、公式は、これらを一つの土台に載せた platform を Cloudflare One と呼んでいます。第 22 章の残りは、この一枚の地図を描く作業です。

これまでの三つの章で作った部品が、一枚の地図に並びます。

部屋・通路・制服の三つの札が一枚の地図に並びます。次の節から、この地図の名前と描き方を扱います。

つまり、これまでの三章は、同じ考え方の別々の入口でした。

ここで紹介した考え方が、いま読んでいる Cloudflare Lab でどう使われているかを見ます。

Cloudflare Lab の管理用のページには、第 9 章で Cloudflare Access の扉を付けました。通路と制服は、作者の手元のパソコンを教材にして試す予定です。三つを一枚の地図にまとめた結果と実測は、実装後に追記します。

  • 入口だけを固める castle-and-moat の守り方は、働く場所が広がり成り立たなくなりました。
  • Zero Trust は、中にいるかで信用せず、要求のたびに確かめてから通す考え方です。
  • 確かめる材料は、誰・どの端末・どこへ行くの三つです。

この節で出てきた言葉を、つながりの順に並べると次のようになります。

図のラベル: 入口だけを固める守り castle-and-moat / 中にいるから信用 をやめる / 毎回確かめる考え方 Zero Trust / 部屋だけを渡す ZTNA / 確かめる材料 誰・端末・行き先 / 部屋・通路・制服 第 9・20・21 章

次の節では、この考え方を含む全体像に付いた名前(SASE)と、その中身を見ます。

この節のチェック

問 1Zero Trust の説明として公式に沿うものはどれですか?

問 2公式が castle-and-moat と呼ぶ守り方の問題はどれですか?

問 3VPN が利用者の端末と接続先の間に作る、暗号化された道の呼び名はどれですか?

問 4公式が挙げる ZTNA と VPN の違いとして正しいものはどれですか?

問 5Zero Trust が軸にしている原則として公式が挙げているものはどれですか?

最終更新日: