18-2 今その場で聞く(wrangler tail)
前の節の日誌は、後から開いて読むものです。今この瞬間に窓口で何が起きているかは分かりません。
貼り紙を替えた直後は、その場に立って様子を聞きたくなります。いま読んでいるこのサイト(Cloudflare Lab)でも、deploy した直後に「ちゃんと出ているか」をすぐ確かめたい場面があります。
ここでは、手元で聞く方法、画面で見る方法、使いどころ、注意の順に見ます。
Learning goals
この節でできるようになること
- Real-time logs が何をする仕組みかを説明できる
- wrangler tail の実行の仕方を言える
- ダッシュボードで見るときの経路を言える
- 同時に見られる数と、記録が落ちる条件を言える
1. 手元で聞く
Section titled “1. 手元で聞く”事務所に居ながら窓口の様子を知るには、受話器を当てて今の声を聞くのがいちばん速い方法です。
Cloudflare では、この仕組みを Real-time logs と呼びます。公式は、世界中で起きているログの出来事にほぼ即時で触れられ、新しい deploy の状態のように、すぐ手応えが欲しい場面で役に立つと説明しています。拾うのは invocation logs・custom logs・errors・uncaught exceptions です。
手元の端末から聞くときは wrangler tail を使います。次の命令は「この店の窓口の様子を、いま流してもらう」ものです。読めなくても大丈夫です。
npx wrangler tail実行すると、届いた来客が 1 件ずつ端末に流れてきます。1 件の形は構造化された JSON で、公式の例では outcome(結果)・exceptions(失敗)・logs(覚え書き)・event.request.url(どの住所に来たか)などが入ります。公式は、この出力を jq のような道具に渡して欲しい項目だけ取り出す例も挙げています。
窓口の声が、そのまま手元の端末に流れてきます。
つまり、npx wrangler tail は「窓口の今の様子を手元へ流す」命令です。
2. 事務所の画面で見る
Section titled “2. 事務所の画面で見る”端末を開かなくても、事務所の画面から同じ様子を眺められます。
Cloudflare のダッシュボードでは、Worker を選んだあと Logs に進み、右側の Live を選びます。公式が案内している経路は次のとおりです。
同じ流れを、手元の端末と事務所の画面のどちらからでも見られます。
つまり、見る場所は 2 つあり、中身は同じです。
3. 使いどころ
Section titled “3. 使いどころ”その場で聞く方法が向くのは、「今から何かを変える」場面です。貼り紙を替えた直後や、変な問い合わせが続いている最中です。
公式は、新しい deploy の状態のように、すぐ手応えが欲しいときに役立つと説明しています。逆に、Real-time logs は記録を保存しません。公式は「Real-time logs は Workers Logs を保存しません」と明記し、残したい場合は Workers Logs を使うよう案内しています。
今その場で聞く
後から読む
替えた直後の数分だけ立ち会う使い方です。
つまり、その場限りの確認に使い、残す用途には前の節の日誌を使います。
来客が押し寄せると、声が重なって全部は聞き取れません。聞く人が増えれば、なおさらです。
公式は次の点を挙げています。同時に見られるのは最大 10 クライアントまでで、これはダッシュボードの画面と wrangler tail の合計です。来客が多い Worker では sampling mode に入り、一部の記録が落ちて、警告がログに出ます。落ちにくくするには、画面や wrangler tail の側で絞り込みます。
このほか、WebSocket を扱う部分の console.log は接続が閉じるまで出ず、閉じた瞬間にまとめて流れます。また、Cloudflare China Network 上の zone では使えません。
同時に聞ける人数には上限があり、混んでくると声は間引かれます。
つまり、その場で聞く方法は「全部が必ず聞こえる」ものではありません。
Cloudflare Lab での使われ方
Section titled “Cloudflare Lab での使われ方”ここで紹介した聞き方が、いま読んでいる Cloudflare Lab でどう使われるかを見ます。
Cloudflare Lab は章を書くたびに deploy します。その直後に npx wrangler tail を動かし、トップページを 1 回開いて記録が流れるかを確かめる手順にする予定です。来客は少ないので、記録が落ちる心配はありません。実測は、この章の実装後に追記します。
つまずきやすいところ
Section titled “つまずきやすいところ”この節のまとめ
Section titled “この節のまとめ”- Real-time logs は、窓口の今の様子をほぼ即時で流す仕組みです。
- 手元では
npx wrangler tail、画面では Logs の Live で見ます。 - 同時に 10 クライアントまでで、混むと記録が落ち、保存もされません。
この節で出てきた言葉を、つながりの順に並べると次のようになります。
図のラベル: 今の様子を知りたい / その場で聞く Real-time logs / 手元の端末 wrangler tail / 事務所の画面 Logs の Live / 同時に 10 まで 混むと落ちる sampling mode / 残すなら日誌 Workers Logs
次の節では、1 件ずつではなく、来客数とエラー数を数で眺めます。
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