22-2 一つの網にまとめる(SASE の全体像)
店が増えると、回線・鍵・警備の業者がそれぞれ増えます。頼み先が散らばると、決まりを変えるたびに全部へ連絡する手間がかかります。
一社が回線も鍵も警備も引き受け、決まりを一枚の操作盤から配れたら簡単です。
Cloudflare Lab でも、部屋・通路・制服を別々の章で足しました。この節では、それらをまとめて呼ぶ名前と中身の分け方を押さえます。
Learning goals
この節でできるようになること
- SASE が何をまとめた形かを日常語で説明できる
- 網が四つの部分でできていることを言える
- 四つの部分に Cloudflare の製品を当てはめられる
- 公式が挙げる利点と数字を言える
1. 一つの網にまとめる
Section titled “1. 一つの網にまとめる”一社にまとめる利点は値段だけではありません。同じ決まりが全店に効き、どこで何が起きたかも一箇所で見えます。
この形を、公式は secure access service edge(略して SASE)と呼びます。網の繋がりと守りが一つの雲の platform と一つの control plane にまとまり、どの利用者からどのアプリへも一貫した見え方と操作ができる形です。
実物では、Cloudflare の platform が Cloudflare One です。公式は、これを single-vendor SASE の platform、つまり全部を一社で揃えた形だと説明します。
左は業者ごとの機械の山、右は一つの網と操作盤に置き換わった状態です。線が減るほど決まりの行き渡り方も揃います。
つまり、SASE は「繋ぐ」と「守る」を一つにまとめた形の名前です。
2. 網の構成要素
Section titled “2. 網の構成要素”一社にまとめても、中身は四つの役に分かれます。公式は、SASE の platform を次の四つで説明しています。
- Network services: 色々な網からの通信を一つの会社の網へ流す役です。遮断・経路の選択・負荷の分散を担います。
- Security services: 網を流れる通信に効く守りの役です。選り分けと、誰が何に入れるかの管理を担います。
- Operational services: 記録・API・Terraform での自動化など、platform 全体を回す役です。
- policy engine: 決まりを書いて全部の役へ配る操作盤です。一度書けば、繋ぎにも守りにも効きます。
三つの層の上に、決まりを配る操作盤が乗ります。操作盤が一つなので書き分けが要りません。
つまり、網は繋ぐ・守る・回すの三つと、決まりを配る操作盤でできています。
3. Cloudflare の製品との対応
Section titled “3. Cloudflare の製品との対応”役の名前だけでは何を触るのか見えません。公式の一覧の製品を当てはめると、四つの役に顔が付きます。
繋ぐ役には Cloudflare Tunnel と Cloudflare One Client が入ります。守る役には Cloudflare Access・Secure Web Gateway・Browser Isolation・Cloud Access Security Broker・Data Loss Prevention・Email security が並びます。回す役には、記録と体感を見る Digital Experience Monitoring があります。
名前を全部覚える必要はありません。「繋ぐ・守る・回す」のどこに置くかが分かれば探せます。
網の部品ごとに製品名の札が付きます。札を見ずに置き場所を指せるのが目標です。
つまり、製品名は四つの役の下にぶら下がっています。
4. 何が嬉しいか
Section titled “4. 何が嬉しいか”利点は公式が五つ挙げています。どこからでも安全に繋げること、決まりの管理が簡単なこと、人とデータを危険から守れること、見える範囲がまとまること、高い機械や回線を減らせることです。
速さの理由は anycast です。公式は、すべてのデータセンターから同じ番号を案内するので、通信は一番近い建物へ届くと説明します。検査も判断も近くで行われ、遠回りになりません。
数字も公式にあります。Internet に繋がった人口のおよそ 95% に対しておよそ 50 ミリ秒以内、相互接続の相手は 13,000 超、データセンターは数百の都市です。公式が説明した機能の多くは、50 人まで期限なしで無料です。
積み上がった機械が消え、操作盤が一つだけ残ります。減ったぶんが費用と手間の削減になります。
つまり、利点は揃った守りと、近い場所での処理と、減る費用です。
Cloudflare Lab での使われ方
Section titled “Cloudflare Lab での使われ方”ここで紹介した全体像が、いま読んでいる Cloudflare Lab でどう使われる予定かを見ます。
Cloudflare Lab は 1 人で使う教材なので、多くの機能が無料になる 50 人の範囲に収まります。通路と制服は、第 20 章と第 21 章で四つの役に当てはめて確かめます。結果と実測は実装後に追記します。
つまずきやすいところ
Section titled “つまずきやすいところ”この節のまとめ
Section titled “この節のまとめ”- SASE は、繋ぐことと守ることを一つの網と操作盤にまとめた形の名前です。
- 網は、Network services・Security services・Operational services と policy engine でできています。
- Cloudflare でその形を実現する platform が Cloudflare One で、公式が説明した機能の多くは 50 人まで無料です。
この節で出てきた言葉を、つながりの順に並べると次のようになります。
図のラベル: 繋ぐ業者と守る業者 がばらばら / 一つの網と一つの操作盤 SASE / 繋ぐ・守る・回す と policy engine / Cloudflare の SASE Cloudflare One / 近い場所で検査 anycast / 多くの機能が 50 人まで無料
次の節では、この地図の上に、これまでの章で作った部品を置いていきます。
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